委員長よりごあいさつ

自治体法務検定発足にあたって

 地方分権改革が進んできたここ十数年来、自治体職員の法務能力の向上を目指す自治体法務などの必要性は著しく高まってきています。
 地方自治体において法務に対するニーズが高まってきたのは、第1に、分権改革によって地方自治体の処理する事務の範囲が圧倒的に拡大し、法政策の形成も含めて法のルールに従った適正で公正・透明な処理が求められていることです。第2に、いま日本では、民間の団体は企業に対しても、厳しい“コンプライアンス”や“コーポレート・ガバナンス”が求められるようになってきていますが、地方自治体に対しても全く同じことが求められていることです。ここでも、マスコミや住民から非難されず、争訟や住民訴訟に堪えうるような事前配慮が必要となります。
 これからの地方自治体は、住民に身近なところで、それぞれの地域にふさわしい独自の施策や行政サービスを提供しなければなりません。そのためには、福祉、環境、安心・安全、まちづくり、土地利用、産業振興、内部管理、情報、財務会計・監査等、多岐多彩な専門職員が必要となりますが、これらの各分野に共通した法的問題や地域の独自政策を法的に設計し構築する法務能力を備えた専門職員も不可欠です。
 近年のこのような情況を考慮して、この度、十分な法務能力を備えた有能な人材を養成するため「自治体法務検定」という仕組みを設けることにしました。この検定は、「基本法務編」と「政策法務編」と題するそれぞれのテキストを勉強していただいた上で、その中から出題される問題に答えていただき、その採点結果によって評価するというものです。ひと口に地方自治体といっても、都道府県も市町村もそれぞれ多種・多様であり、地域の独自性や自治行政の中での法務に対する比重の置き方もさまざまであろうと思われますが、各自治体の職員におかれましては、21世紀の新しい時代の地方自治を担い、より一層盛り立てるために、一人でも多く法務検定に参加されることを期待しています。

自治体法務検定委員会
代表 成田頼明