結果分析データ

2023年度第2回全体講評(政策法務)

 当検定の一般受検は、本年度からオンライン方式により年2回開催することになった。このような新しい受検方式となったことから、本年度の一般受検者は必ずしも多くはなかったが、2023年度第1回(同年9月実施)よりも今回の第2回(2024年2月実施)の一般受検者は少し増加している。新しいオンライン方式による検定が定着し、受検者が増えていくことを願っている。

 政策法務の受検者数は、35名ほどであり、これは本年度第1回よりも増えている。また、受検者の9割以上がクラス認定を受けるという良好な結果であり、平均点も685点と、第1回よりも高くなった。さらに、今回は、900点以上のプラチナクラスの認定となった方のほか、受検者の半数以上がゴールドクラス以上の認定となっている。

 設問は、『公式テキスト』中の基本的なものから、『公式テキスト』以外の文献などから知識を得なければならない高度なものまで用意してあるが、委員会の方で高度な設問として用意した問題でも8割以上が正解するというものもあった。本検定に取り組んだ受検者の方々の意欲の高さ、あるいは積極性や優秀さがうかがえる。今回の検定で、受検された方それぞれが能力を高められたことを確信している。

 今回の配点に対する平均点の割合を分野別に見ると、『公式テキスト〔政策法務編〕』の全ての分野で5割を超えていて、とくに「第2章 立法法務の基礎」、「第3章 解釈運用法務の基礎」、「第6章 住民自治の仕組み」、「第7章 情報公開と個人情報保護」の分野の正答率が高かった。正答率の低かった問題は、行政法の一般原則に関わるものなど、実務ではあまり関わりのないものに散見されたが、総じて、正答率は高かったといえる。

 とはいえ、個人情報保護法や地方自治法の改正、DXの推進など、自治体を取り巻く法制度は大きく変わってきており、これからも積極的に情報を収集して、自ら継続的に政策法務の知識更新を図ってほしい。

 検定委員会は、法改正を踏まえた検定テキストの見直しを行い、2023年度から本格的に新方式を採用した受検制度の実施状況も分析しながら、より多くの方が有意義な知見を獲得されるよう、企画をしたいと考えている。

 なお、個人で取り組むことに不安や限界を感じたときは、身近な人とグループを編成しながら、分担して報告し合う形で自己の知見を豊富にしていくという手法を取り入れてほしい。関心ある分野・テーマの講演会・説明会などにも、近年はオンラインで聴講できるものもあるので、積極的に参加することが推奨される。受検者の各位が、今回の検定での好成績を持続させつつ、より一層の高得点を目指されることを願っている。

2024年3月
自治体法務検定委員会