結果分析データ

2025年度第2回全体講評(基本法務)

 2026年2月15日に実施された今回の検定は、オンライン受検に一本化した自治体法務検定を年2回実施する方式になってから3年度目の第2回の検定であった。基本法務の受検者総数は101名(市区町村職員51名、都道府県職員38名、その他12名)である。昨年度同時期の第2回の受検者は88名であったので約1.15倍に増加したことになる。その結果、昨年9月の今年度第1回検定の受検者と併せた2025年度検定の総受検者数は236名となり、年1回の会場受検方式の時期の2020年以来の200人台の受検者数を回復した。特に今回は、都道府県職員の受検者が38名に増加し、オンライン方式の1回の受検者数としては最多となった。

 年2回の受検機会があり、場所を選ばずどこからでも受検できるオンライン受検の方式が自治体職員の皆さんの中で定着していくことを期待したい。

 今回の検定結果の全体的な傾向を以下に紹介しつつ、若干の講評を加えることとする。

 総受検者の平均点は1000点満点中520点であり、残念ながら、昨年9月に実施された今年度第1回検定の平均点より5点下回った。ただ、500点以上のクラス認定がされた受検者は56名であり、その割合(受検者総数の約55%)は、第1回のそれより3%高い。900点以上のプラチナクラスの獲得者はなかったが、ゴールドクラス(総点700点~899点)は7名、シルバークラス(500点~699点)が49名であった。受検者の属性として市区町村職員と都道府県職員を比べると後者の平均点が前者のそれを上回ることが、これまでの検定の傾向であったが、今回は、市区町村職員の平均点が529点で都道府県職員の平均点が504点であった。市区町村職員の成績が20点以上も上回っており、市区町村職員の皆さんの奮起の結果と評価したい。

 各設問の正答率を分野別で見ると、「憲法」(58.6%)が最もよく、「民法」(56.2%)、「行政法」(53.1%)、「地方自治法」(53.0%)の順となり、「序章」(40.6%)と「刑法」(44.6%)が突出して振るわなかった。

 序章の分野の設問1は、法令解釈のイロハの領域に関する極めて易しい設問であったが、半数近くの受検者が取りこぼしており、同じく設問43は、2020年以降のデジタル化に関わる法律の制定・改正を問う基本的な時事問題であったので、正答率が3割に満たなかったのは残念な結果である。テキストの通読をおろそかにしなければ正解にたどり着いたはずである。刑法分野の設問53と設問58は、それぞれ犯罪の一般的な構成要件に関する設問と公務員の秘密漏示に関する設問であり、いずれも正答率が約3割程度にとどまった。これらも、基本的な内容の設問であったので、テキストの熟読と理解が今一歩ということであろう。

 これに対し、憲法分野の外国人の地方参政権に関する最高裁判決の内容の詳細を問う設問44や国の参政権に関する判例に関する知識を問う設問46は、想定を超える高い正答率であった。また、行政法の分野では、国家賠償法2条の営造物責任の「瑕疵」に関する最高裁判決の内容の詳細に関する設問11と各種の抗告訴訟の特性に関する設問49についても高い正答率(それぞれ8割以上、7割以上)が得られた。昨年9月の第1回検定の講評において、「自治体法務の中心というべきいわゆる公法分野(憲法、行政法、地方自治法)の成績が振るわなかったといえる。民法・刑法の法学の基本分野にとどまらず、自治体法務検定の中心分野もおろそかにせず、学修に励んでもらいたい。」という趣旨のことを述べたが、今回は、一定の挽回が果たされたと評価できる。

2026年4月
自治体法務検定委員会