研修の効果測定としての活用

武田圭史 様
浦安市総務部人事課職員研修係
武田圭史 様
自治体法務を採用したきっかけは何ですか?
浦安市では、職員の分析力や問題発見能力の向上等を目的とした特別研修や階層別研修など様々な研修を行っておりますが、その中で法務というのは、各課の職員にとって共通して必要とすべき能力であるという認識が人事課にはありました。いわゆる「政策法務」というのは、各課に所属する職員自らが考えて行っていかなければいけないと思います。そんなとき、自治体法務検定がはじまり、従来の座学による法律関係の研修よりも職員のモチベーションの向上を図ることができるのではないかという観点から団体受検を採用しました。
職員の研修の企画・立案を担当する武田さん
受検前に取り組まれたことはありますか?
今回の団体受検は、特別研修の一環として採用し、検定の前に研修を行いその効果測定という位置付けで検定を実施しました。研修は、『自治体法務検定公式テキスト 政策法務編』(以下「テキスト」)を使用し、大学の先生に講師として来ていただき、全部で8回行いました。研修の内容は、テキストに完全に沿った形の検定対策研修という形にはなりませんでしたが、政策法務の実際的なことを学ぶことができ、参加者にとっては知識が深まり、実務においての政策法務の位置づけや、活用の仕方がより明確になったように思います。また、有志で研修を終えた日の夕方、皆で集まって研修内容の報告会を行いました。研修に参加できなかった人にとっては、研修内容を学ぶことができ、研修を受けた人にとっては復習することができました。
受検後の受検者の方の感想はいかがでしたか?
難しかったという声が若干ありました。また、検定ということでモチベーションが高まったということや、受検前の研修等を通じて職員間の横の輪が広がったという声もありました。自治体法務の知識を深めるのみならず職員同士のネットワークができたことは意義深いと思います。
今後、自治体法務検定をどのように活かしていきますか?
自治体法務検定を受検した職員が各課に戻り、起爆剤となり他の職員への波及効果をもたらしてくれるのではないかと期待しています。ただ、自治体法務検定の内容は、日頃の業務の裏側にある学問的要素が詰まっているので、実際の業務経験が豊富な職員にとっては、業務知識の幅が広がると思うのですが、入庁間もない経験の浅い職員にとっては、形骸的になってしまうのではないかという懸念もあります。来年からは基本法務の検定もはじまるので、職員の自治体法務能力を高めるという目的に向け、来年度以降も試行錯誤しながら取り組んでいきたいと思います。