「共通言語」としての法務能力

松本尚史 様・竹田良子 様
倉吉市建設部管理課・倉吉市産業部商工観光課
松本尚史 様・竹田良子 様
実務をこなしている際に、法務能力が必要であると実感されることはありますか?また、それはどんなときですか?
言葉を使って仕事するということを厭わないマインドを養うため、基礎的・概括的な法務能力を養成する機会が必要だと思います。また、所管外の領域と関係するような事務において、どのような法令の適用関係を想定する必要があるかを検討する場面においては、法務能力が求められると実感します。(松本さん)
ルールによる強制力が必要な場面なのか、その他の手法で問題解決ができることなのか、現在ある条文で問題解決が可能なのかと考える場面がたびたびあります。法務能力やリーガルマインドなくして、実務はできないと日々実感しています。また、住民の利害関係を調整したり、苦情が寄せられたりしたときや各課が事業を実施するに当たって、事業の要綱・要領に照らし合わせて事業を支援するとき、あるいは、酷な立場におかれた人を何とか救済したいと思うときなどに法務能力が必要であると実感します。(竹田さん)
左から竹田さん、岸田さん、佐藤さん、松本さん
勉強会の講師である猪口洋志さん(左)、池田弘之さん(右)
自治体法務検定を受検したきっかけは何ですか?
当初、自治体法務の勉強会を立ち上げ、職員間の交友関係を伝に一定数の職員が集まり、自治体法務検定受検の機運が高まったことから受検をすることを決めました。受検申込みの直前には、庁内のイントラネットを利用して全職員に周知しました。
受検前に受検者で勉強会などを実施しましたか?
勉強会は、2週に1回(1時間~3時間)程度、章ごとに担当者を決めてレジュメを作成し、それを基に担当者が内容を解説していくこととしました。また各回の終わりに担当者自作の「確認テスト」を実施しました。
自治体法務検定の受検で何を期待していますか?
勉強会に参加する会員が、問題意識と解決手段を共有しあえる関係性を期待しています。
受検後、受検者の方々のご感想はどのようなものがありましたか?
想定より難しかったという感想が多いようでした。自分の得意・不得意分野が確認できるので、受検後の復習がしやすいとの意見もありました。
受検後、原課に何かフィードバックされることはありそうですか?あるいは、どのような効果がもたらされそうですか?
具体的な効果については今のところなんとも言えませんが、日々向き合っている事務の一つひとつに法令等の裏付けがあることを意識することは、一般的に有用だと思っています。(松本さん)
紛争とはいかないまでも、住民との関係において、多くの人の利害関係が衝突する場面で、どのような調整が必要なのか、どんな手段があるのかという選択肢を持ちえたことが有益だと思います。政策立案に当たっての、共通の言語としてこの検定を利用したいと思います。(竹田さん)